協議離婚を考えてる夫婦の画像

協議離婚の条件・進め方


協議離婚について詳しく解説



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離婚の種類

①協議離婚
夫婦の話し合いによる離婚

②調停離婚
家庭裁判所の調停による離婚

③審判離婚
家庭裁判所の審判による離婚

④和解離婚
裁判の途中での和解による離婚

⑤認諾離婚
裁判途中での認諾調書作成による離婚

⑥判決離婚
裁判所の離婚判決による離婚

日本の場合、9割が協議離婚です

 

協議離婚

流れ

離婚後の生活費を考える
     ↓
生活環境について考える(住居・学校等)
     ↓
養育費・財産分与・慰謝料等の金額を考える
     ↓
夫に離婚の話を切り出す
     ↓
上記②③などの話し合い
     ↓
話し合いがまとまる
     ↓
離婚協議書または公正証書を作成する
     ↓
離婚届を提出

 

協議離婚

手続

 役所から、離婚届をもらい、これに夫婦が署名捺印します。
他に2人の成人の証人の署名捺印が必要です。

 夫婦に未成年の子供がいる場合には、父母のどちらが親権者になるかを記入します。

 なお、親権者を決めなければ離婚届は受理されません。

 

注意事項

 離婚の原因には、相手の不倫やDV、性格の不一致など様々なものが考えられますが、協議離婚の場合は、離婚理由・原因を問いません。

 夫婦間に離婚の合意さえあれば可能で、手続も離婚届を出すだけと簡便ですから、逆に注意が必要です。

 たとえば、夫婦のどちらか一方の立場が弱く、不利な離婚条件を迫られてしぶしぶ同意させられてしまうこともあります。

 また、一時の感情に流されて、離婚後のことを十分に話合わないままに同意してしまう場合もあります。

 離婚届に、署名捺印する前に、自分はどうしたいのかをもう一度考えてください。そして、財産分与、慰謝料、養育費、親権等、離婚の条件について妥協せずに、きちんと話し合ってください。

 そして、決まった内容は、離婚協議書といった書面 にしましょう。

 将来の金銭の支払に不安がある場合は、強制執行認諾約款を付けて公正証書にまでしておけば、裁判なしで強制執行も可能になります。

 

公正証書

 公正証書 とは、当事者(代理人も可)が公証役場へ出向いて、公証人に作成してもらう書面をいいます。両当事者が書面を保管するだけでなく公証役場にも原本が保管されます。

 そして、養育費の支払いのように、将来に渡って金銭の支払いが続く場合には、「執行認諾約款の付いた公正証書」 として作成しておけば、将来金銭債務の不履行があった場合、裁判をしなくても強制執行が可能になるというメリットがあります。

 「執行認諾約款」とは、債務者が支払を怠った場合にはただちに強制執行を受けることを了承する旨につき 公証人に陳述したことを示す文言をいいます。

 これが、公正証書に記載されると、債務名義(強制執行をするためのお墨付き)となり裁判所に強制執行を申し立てることができます。

 なお、実際に裁判所に強制執行の申立てをする場合には、公正証書を作成した公証役場で、「執行文の付与」と「送達証明の付与」をしてもらい添付する必要もあります。

 ちなみに、調停調書も債務名義となりますので、家裁の調停で、養育費などの離婚の条件等の折り合いがつき調停調書が作成された場合には、調停の内容を守らずに養育費の支払をしないような場合には、履行勧告や履行命令の他 強制執行の申立ても可能になります。

 

公証人手数料

 「公証人手数料価格一覧」

目的価額           手数料 
100万以下           5,000 
100万~200万以下    7,000 
200万~500万以下    11,000 
500万~1,000万以下     17,000 
1,000万~3,000万以下  23,000 
3,000万~5,000万以下   29,000 
5,000万~1億以下      43,000 
以下  省略


【慰謝料と財産分与は合算】

例えば、
慰謝料100万円
財産分与500万円 の場合

100万+500万=600万円
が目的価格となり

公証人手数料は、17,000円


②【養育費は別計算】

例えば、
養育費月額3万円の場合
3万円×12ヶ月×10年=360万円
(注意:養育費の計算は最長10年)

公証人手数料は、11,000円


【①②の合計】
公証人手数料 28,000円

【その他】
正本・謄本代・送料等で数千円が必要です。

なお、年金分割の条項を公正証書に入れてもらう場合は11,000が加算されます。

また、年金分割の合意書を私署証書として認証してもらう場合は、5,500円の手数料がかかります。

 

財産分与

 財産分与とは、結婚生活の中で夫婦で築いた財産(共有財産)の清算をすることをいいます。

 専業主婦の妻であっても、内助の功としての評価がありますので、婚姻中に築いた財産については財産分与の請求ができます。

 財産分与には、上記のような清算的財産分与(夫婦によって形成された財産の清算)の他に、扶養的財産分与(弱い立場にある者の生計維持のために認められるもの)があります。

 例えば、妻が病弱ですぐに仕事につくことが難しく、離婚後しばらくの間は収入のめどがたたない等の場合には、扶養的財産分与として、その分を上乗せして財産分与の額を算定するといった協議をしても良いでしょう。

 財産分与は、原則として離婚成立から2年以内に請求しないといけません(民法768条2項)。
 

財産分与

対象

【財産分与の対象になるもの】

・婚姻中の宝くじの当選金

・婚姻中の妻のへそくり

・婚姻後の預金や株式

・退職金(すでに支給済み、又は支給決定後になされた離婚の場合は対象になります。将来の退職金についてはケースバイケース)

 なお、財産分与の対象になる退職金は、婚姻期間と勤務期間が重複している部分だけに限りますのでご注意ください「退職金×(婚姻期間÷勤務期間)」。

・満期が到来した貯蓄型の生命保険(満期が到来していない場合はケースバイケース)

・婚姻後に取得した家やマンションなどの不動産(住宅ローンが残っている場合にはその分を差し引く)や車など

 なお、不動産等について住宅ローンが残っているような場合には、返済者(債務者)の変更には、金融機関等の債権者・抵当権者の承諾が必要になりますので、離婚当事者だけで勝手に返済者を変更することはできません。



【対象にならないもの】

 ・婚姻前から持っていた財産

 ・親からの相続/贈与財産  

 ・掛け捨てタイプの生命保険

など

 夫婦の協力で築いた財産のリスト(財産分与リスト) を作ってから離婚の話し合いをする方が、より具体的でスムーズな話し合いができるかと思います。

 

財産分与

税金

 財産分与を不動産・有価証券以外でもらった場合には、税金はかかりません。

 ただし、不相当に過大の財産分与を受けているとみられるときには、例外的に贈与税がかかることもあります。

 財産分与を不動産・有価証券でもらった場合には、分与した側には譲渡所得税が、分与される側には不動産取得税がかかる場合があります。

 譲渡所得税は、分与時の価格が、取得時よりも下がっている場合にはそもそも譲渡所得がないので課されません。

 また、仮に価格が上がっていたとしても、夫(妻)の居住用の不動産であれば、3000万まで特別控除が適用されます。

 また、20年以上の夫婦の場合、離婚前に贈与をして、贈与される側が引き続き住み続けるならば、基礎控除と配偶者控除で2110万まで控除が受けられます。(詳しくは税務署等にお問い合わせください)    

 不動産を分与された側には、不動産取得税が課されます。

そして登記名義を移転する場合には、登録免許税が課せられます。

 不動産取得税についても、居住用不動産の減免措置がありますので税務署等でお問い合わせください。

 なお、取得後は固定資産税も課せられます。

 

慰謝料

慰謝料とは、夫から暴力(DV)を受けたとか、夫(妻)に愛人がいた、不倫をされたなど相手の行為によって精神的苦痛を受けたことを理由に請求する、精神的損害賠償のことをいいます。

 従って、慰謝料が発生するだけの理由がなければ、慰謝料は発生しません。

 後々、慰謝料の発生原因の有無について争いになることが予想されるような場合には、離婚協議書に、慰謝料の発生原因事実を記載しておいても良いでしょう。

 慰謝料は、財産分与に含めて請求してもいいですし、含めないで別に請求しても、どちらでも構いません。

 財産分与の請求は離婚後2年を経過したら請求できません。

 また、慰謝料についての消滅時効期間は3年ですのでご注意ください。

 ちなみに、夫または妻が不倫をしていた場合、不倫相手の方にも原則として慰謝料を請求 することができます。

 

親権とは

 未成年の子供がいる親は、子供の身分上・財産上の監督・保護をする義務と権利をもっています。これを 親権 といいます。

 協議離婚する場合は、どちらかの親一方が親権者となります(単独親権制度)。親権者を決めなければ、離婚届は受理されません。なお、離婚後の共同親権制度の導入も議論はされておりますが、我が国では、今のところ導入には至っておりません。

 子供が15歳以上なら、親権を決定するときには、どちらの親と一緒に暮らしたいかを子供に聞くことになっています。

 15歳未満であっても、できるだけ子供の意見も聞いてあげたいものです。

 親権が決まらない場合は、家裁の調停を利用したり、それでも決まらない場合は離婚訴訟にもちこまれたりします。

 

親権と監護権

 どうしても話がまとまらない場合、親権を身上監護権と、財産上の管理権に分け合うという方法もあります。

 前者の権利をもつ者が 監護権者、後者の権利をもつ者を 親権者 とし、監護権をもつ親が、子を手元に置いて生活し育てる権利をもつことになります。

 なお、親権は戸籍等に記載される事項ですが、監護権は記載されません。

 親権と監護権を分ける場合には、その旨が明確に解るように離婚協議書にきちんと書いておいた方が良いでしょう。

 

面会交流権

 面会交流権 とは、離婚して子供と暮らせなくなった親の側が子供と会う機会をもつ権利をいいます。

 父母の協議で決めてもいいですし、家裁の調停や審判で取り決めることもできます。

 面会に原則制限を設けない場合であっても、子の福祉の観点から、健康状態や精神状態を考慮して具体的日時等を決める等、きちんと文面にして残しておいた方が良いでしょう。

 面会に制限を設ける場合は
① 面会の回数(月1回程度や2か月に1回程度等)
② 面会の日時(第4日曜日の午後3時から2時間、夏休みはお泊り可等)
③ 面会の場所(○○駅前のファミリーレストラン等)
④ 父母間の連絡方法(携帯電話、手紙等)
⑤ 第三者を同伴させる場合の報告義務等を取り決めてもよいでしょう。

 なお、離婚後に夫が勝手に幼児を連れだしたりするトラブルもあります。

理由としては、協議離婚の際に取り決めた面会条件が厳し過ぎる等の理由が考えられます。そういった場合には、面会交流の条件の見直しが必要となる場合もあるでしょう。

 

養育費

 子供の 養育費 の支払いは、親の義務です。親権がどちらにあろうと収入に合わせて養育費を出すのが親の義務です。

 離婚協議書には、養育費の支払いについても、記載しましょう。
子供名義の口座に毎月振り込んでもらうようにすれば、相手の抵抗感も少ないでしょう。

 また、子供の病気や、進学などに備えて、流動性を考慮した内容の書き方にしておくことが肝要です。

 相手が支払を続けてくれるか不安な場合には、離婚協議書を公正証書にまでしておいた方が比較的安心です。


平成15年の民事執行法の改正(民事執行法151条の2、152条3項)により
・養育費に基づく債権
・夫婦の扶助義務に基づく債権
・婚姻費用分担に基づく債権
・扶養義務に基づく債権
などの債権(「定期金債権」)に関しては、支払期限の過ぎたものだけでなく、期限が到来していない債権についても債権執行を開始することができ、将来の給与などを差し押さえることができるようになりました(151条の2 1項)(ただし、預貯金については、給与の場合と違って、滞納分しか差し押さえることはできませんのでご注意ください)。


 また、差押禁止債権の範囲も、原則2分の1に減縮され、従来よりも強制執行が容易になりました(153条3項)。

 例えば,金銭消費貸借などで生じた一般の債権の場合は、給料は原則としてその4分の1までしか差し押さえることができません。

 しかし、平成15年改正で、養育費などの定期金債権に関しては給料の2分の1まで差し押えることが可能となりました。

 但し、差押えの対象は継続的給付に係る債権(ex給料、賃料債権、個人事業主が有する売掛金債権)に限られますので注意してください(151条の2 2項)。

 

養育費の増減

 離婚後に事情の変更があり、養育費の増減が必要となった場合には当事者間で新たな合意をするか、家庭裁判所の審判で変更をしてもらいます。

【増額が認められた例】

・子供が病気にかかり、多額の治療費・入院費等が必要となったような場合
・子供が学齢期に入り、現在の養育費では日常生活にも支障を来たすような場合


【減額が認められた例】

・調停成立時と比較して父の収入が3分の1に減少し、再婚家庭の生活費も共稼ぎで確保している状況を考慮して、養育費の減額を認めた

養育費算定の目安

 

妻の氏と戸籍

 結婚によって氏を改めた妻は、離婚によって結婚前の氏に戻り、戸籍も結婚前の戸籍に戻るのが原則です。

 ただし、急に氏が変わると不都合な場合もあるでしょう。そこで、例外的に、「婚氏続称」の手続きをすれば、婚姻中に名乗っていた氏を使い続けることができます。

 手続きとしては、役所の市民課で「離婚の際に称していた氏を称する届」という書類を提出します。離婚成立の日から3か月の期間以内にしなければいけないので注意をしてください。

 

子の氏と戸籍

 両親が離婚しても子供の氏や戸籍には変更はありません。

 一般に離婚の際、妻は旧姓に戻ることが多く、同時に母親が親権者となることが多いと思います。

 しかし、親権者が母であっても子供の姓は離婚によって当然に変わるものではありません。

 そこで、子供の籍を母親の籍に入籍させるには、
①自分(母)を筆頭者とした新しい戸籍を作り②家庭裁判所に「子の氏の変更申立て」 をし、③役所へ「入籍届」 をする必要があります。

 

年金分割

・熟年離婚をお考えのご夫婦は年金分割についてご検討ください。

年金分割を検討する際は、必ず、事前情報を入手してください。日本年金機構(年金事務所)に「年金分割のための情報提供の請求」を行ってください(公務員等の場合は所属する共済組合に請求)。そうすると、「年金分割のための情報通知書」が交付されます。

・分割されるのはあくまで「厚生年金」または「共済年金」のみです。「国民年金」「企業年金」「年金保険」は分割されません

・この制度は、あくまで保険料納付記録が分割されるだけですので注意して下さい。つまり、サラリーマンや公務員の妻が専業主婦であった時期について最高2分の1を限度として妻の納付記録に付け加えることができるというものです。

 ですので、受給時に妻が通算25年の要件を満たさない等の理由で受給資格がない場合には、そもそも受給できません。

・分割割合については、平成20年4月1日以降の婚姻期間分については自動的に2分の1に分割されますが(3号分割制度)、平成20年4月1日以前の分は当事者の合意または裁判所の決定で分割割合が決まります(合意分割制度)。

 合意分割には分割割合を定めた合意書、裁判により決めた場合は判決書謄本等の添付が必要になります。

・合意書は、ご自身で作っても良いですし、社会保険事務所に備え付けの「年金分割の合意書」を利用しても良いでしょう。

・合意書を提出する場合、一方当事者だけしか窓口に出頭できない場合は合意を証する書面を公正証書の謄本(抄本)または、公証人の認証を受けた私署証書にして添付する必要があります(合意分割の流れ)。

・自動的に2分の1に分割される場合でも、年金事務所への「分割改定」請求(離婚特例適用請求)が必要ですので注意してください。

・受け取り時期は自身が年金を受給できる年齢になってからです。

・年金分割の改定請求は、離婚した翌日から原則2年を超えると請求できませんので、注意してください。

・その他、年金手帳、戸籍謄本、印鑑等を持参する必要がありますが、詳しくは、お近くの年金事務所にお問い合わせください。

・委任状を添えれば代理人による請求も可能です。

 

別居と
婚姻費用分担

 法律上、婚姻関係にある者はお互いに婚姻に要する費用を負担する義務があります。

 婚姻費用とは、夫婦が普通の生活をするために必要な一切の生計費です。

 別居状態でも、法律上、離婚前で婚姻関係があるならば、これらの費用を分担する義務があります。

 離婚前に別居する場合は、事前協議の上、婚姻費用の金額を決めておくことが肝要です。

 話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所の調停を利用することもできます(ただし、正当理由なく一方的に別居を始めた場合などには認められなかったり、金額が低くなったりする場合があります)。

 

離婚届の
不受理申出

 離婚届は形式さえ整っていれば、届出は受理されます。

離婚条件の話し合いがついてから、届出を出そうと思っていたのに、話し合いがまとまる前に、夫(妻)が 勝手に離婚届を 出してしまう可能性があるような場合には、「不受理申出」 を本籍地もしくは居住地の市区町村役場にしておくのが良いでしょう。



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2024. 1. 19 更新

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